LOGO - MORI MASAHIRO DESIGN STUDIO, LLC.

MORI MASAHIRO DESIGN STUDIO, LLC.

森正洋作品解説下書き

D28-L1-004.jpg
  • 自筆スライド原稿

今回のレポートでは、森正洋が生前、整理していたスライドキャビネットに保存されていた1995年のドイツでの講演用原稿をもとに、スライドと文章を再構成し紹介します。森正洋が自らの作品とその時代背景などを具体的に説明しています。


D28-P1-001.jpg

1 今日は、森正洋です。ハレ大学に来て話すのを楽しみにしていましたが、体調が悪く出席できないのを大変残念に思います。又せっかくの招待にお答えすることができず申しわけありません


D28-P1-002.jpg

2 私の若い頃からの作品をスライドで示しその頃の話など入れて説明します。私の家です。自宅とAアトリエ、Bアトリエ、Cアトリエとショールームがあります


D28-P1-003.jpg

3 学生達が1-2名は宿泊できる部屋もあります


D28-P1-004.jpg

4


D28-P1-005.jpg

5 大学3年の時、初めて自分なりのフォルムが見えてきたと感じた物 粘土原型から石膏原型を作り 冬休みに県の窯業試験場で焼いたもの 其の頃 学校には実習できる生産設備ありませんでした


D28-P1-006.jpg

6 全部の行程を自分1人でやるので 新しい技法の発見もあった。白素地と鉄入り素地との混合鋳込みです


D28-P1-007.jpg

7 卒業制作1952年 2m×1.5の壁画レリーフです 磁器


D28-P1-008.jpg

8 これも1952の卒業制作です。磁器無釉の地に黒釉で絵付けしてあります。中心に穴をあけて感覚的にも風通しがよくなった


D28-P1-009.jpg

9 1953年 長崎県窯業試験場での試作砂糖壷で陶器です。試験場は2年程居ました


D28-P1-010.jpg

10 これも陶器。酒器です。黄色のハンドルは上絵のコンプレッサーによる吹付け


D28-P1-011.jpg

11 1954年。陶器の花瓶です。試験場の試作品は販売できないので、価格が付きません


D28-P1-012.jpg

12 白山陶器での仕事。磁器エンゴベーによる絵付。よく売れて小企業でのデザインが認められたもの


D28-P1-013.jpg

13 1958年。しょうゆ差し。明るい市場が見えて来たもの。 現在(1995年)も続いており、日本でのロングラン商品の代表になっているもの。35年以上も続いて、多くのデザイン賞をもらいました


D28-P1-014.jpg

14 1959年、茶器


D28-P1-015.jpg

15 調味料セット。これも10年程生産しました。プラスチック業界に影響をあたえました


D20-P4-003.jpg

16 1960年 灰皿。これも現在も生産しているロングランの商品です。絶対に煙草が外に落ちない安全なもので積み重ねがよく、オフィスやホテルでよく使われているようです


D28-P1-017.jpg

17 1961年。竹を巻いたもので試作品を展覧会に出したら、アメリカのバイヤーから注文がはいり竹工場の作業に苦労しました(磁器の生産リズムと竹の加工リズムが調和しない)


D28-P1-018.jpg

18 1962年。酒器。これもグループ展に出品した物を酒のメーカ「大関」が契約してくれて大量に10年程も作り続けました


D28-P1-019.jpg

19 染付(アンダーグレズ)による茶器


D28-P1-020.jpg

20 梅は日本ではよく使うモチーフですが新しい感覚でプリントしました


D28-P2-001.jpg

21炻器の灰皿


D28-P2-002.jpg

22 磁器の灰皿です

D28-P2-003.jpg

23 ピッチャー。商品になりにくいので苦労した


D28-P2-004.jpg

24 氷入れと組んで商品化した


D28-P2-005.jpg

25 キャニスター。竹の弾性を利用して蓋をおさえる構造です。木片は中心が大きくずれています


D28-P2-006.jpg

26 鋳込で作ったコーヒーマグ。ロクロ成形?では、できない形を目標にした(大工場のロクロ製品との競合をさけるため)


D28-P2-007.jpg

27 釉の変化でプリント模様を入れた天目の皿 やきもの独自の表現技法で質の高い皿にした


D28-P2-008.jpg

28 陶磁器でないと表現できない材質感、表現に注意した


D28-P2-009.jpg

29 材料の特性を積極的に生かす表現


D28-P2-010.jpg

30 同じ鉄のプリントで天目釉と白釉の花瓶


D28-P2-011.jpg

31 灰皿


D28-P2-012.jpg

32 灰皿は形の変化が楽しめる品種だが、今は灰皿の需要はおちこんだ


D28-P2-013.jpg

33 時には粘土による自由な表現のトレーニングが必要である


D28-P2-014.jpg

34 粘土の表情や窯での変化などの発見が表現の豊かさをもたせる


D28-P2-015.jpg

35 焼けばとける石 焼けば収縮してわれる土


D28-P2-016.jpg

36 やきものの特性と自由さ。素材の特性と自由さ


D28-P2-017.jpg

37 花瓶。いろいろな形が簡単に自由にできる。しかも数多く、くりかえし生産ができる


D28-P2-018.jpg

38 組み合わせで連続できる花器


D28-P2-019.jpg

39 同じ


D28-P2-020.jpg

40 陶磁器では茶器は重要な生産品目です


D28-P3-001.jpg

41 日本人の食事は和、洋、中国食と混合している。72年に和と洋の食器の展覧会をしました。洋の5ピース食器に対し日本ではどんな食器が必要か考えた。手前がヨーロッパスタイル。向こうが伝統的日本のスタイル。同じ平面でつないだ


D28-P3-002.jpg

42 その時のコーヒーセット。日本の家は狭いので整理しやすく、生産もいい(共通の型が使える)ように3種の直径に統一した


D28-P3-003.jpg

43 同じ高さになる。棚の中に収まりがいい


D29-P1-002.jpg

44 同じようにドリッパーも加えた


D28-P3-005.jpg

45 1972年。鉄釉の結晶が美しい東洋の釉です。新しいトンネル窯になり、美しい釉が焼けず生産中止


D28-P3-006.jpg

46 積み重ねがよいキャニスター


D28-P3-007.jpg

47 カップ展の指名コンペで作ったもの。イメージを表現したものです


D28-P3-008.jpg

48 1974年。東京でカップだけの個展をした時にハンドルを実験したもの……。この中から1種類を生産にうつした


D89-P8-020.jpg

49 白木のコースターを付けた。74年のイタリーファエンツァ国際展で金賞をとり販売もスムーズにいった


D28-P3-010.jpg

50 マグでピンクのハンドルを作りました。色素地の鋳込みによるハンドルです


D28-P3-011.jpg

51 同じスタイルの蓋物


D28-P3-012.jpg

52 1974年。木のハンドルを付けたコーヒーカップとデミカップ


53 1974年。ハンドルのにぎり方をかえたカップ


D28-P3-014.jpg

54 1974年。実験したもの


D28-P3-015.jpg

55 74年に実験したものをリ・デザインして85年に量産したもの


D28-P3-016.jpg

56 ハンドルのない断熱のカップ


D28-P3-017.jpg

57 植村直己さんが1人で北極をこえた記念展に出品したもの。時には用のない物をも創るのも楽しい


D28-P3-018.jpg

58 白磁の透光性のある照明具


D28-P3-019.jpg

59 薄い白磁の素地が歪まない形を考えた


D28-P3-020.jpg

60 横に置いたり


D28-P4-001.jpg

61 傾けて立て、置いたりして光と形の変化を楽しめる


D28-P4-002.jpg

62 透光性の効果を利用したホタル手の食器


D28-P4-003.jpg

63 白磁のレリーフのある食器


D28-P4-014.jpg

64 公園のスツール。単独でも連続しても使用できます


D28-P4-015.jpg

65 板作りの磁器です


D28-P4-007.jpg

66 S型カトラリー(ステンレス)チャンスがあれば、他の材料もデザインしました。デパートからの依頼でデザインしたものです


D28-P4-007.jpg

67


D28-P4-008.jpg

68 同じくデパートの要求でデザインしたガラスカップ各種


D28-P4-009.jpg

69


D28-P4-010.jpg

70 皿。線のグラデーション


D28-P4-011.jpg

71 染付のプリント模様


D28-P4-012.jpg

72 象印魔法瓶からの要求でデザインしたサーモス…。やきものの食器と同じテーブルで使われます


D28-P4-013.jpg

73 同じサーモス


D28-P4-016.jpg

74 1976年。組み合わせによるパーティープレートの個展の時(東京)


D28-P4-017.jpg

75 正方型を斜めに切った大中小の組み合わせで使用する盛皿


D28-P4-018.jpg

76 1976年。自分の好みに応じて形を組み合わせて使う


D28-P4-019.jpg

77 1人用で使う時は単独で使える


D28-P4-020.jpg

78 1984年。組み合わせれば2個でも10個でも場に応じて変化させる


D28-P5-001.jpg

79 同じコンセプトの丸味のある皿


D28-P5-002.jpg

80 組み合わせの変化により、角の皿とは違うテーブルが演出できる


D28-P5-003.jpg

81


D28-P5-004.jpg

82 1994年。多くの組合せが楽しめるパーティープレート


D28-P5-005.jpg

83 1994年。組合せの例


D28-P5-006.jpg

84


D28-P5-007.jpg

85 1995年1月に東京で個展をし発表した


D28-P5-008.jpg

86 


D28-P5-009.jpg

87 1985年。丸、三角、四角の基本形をテーマ '85ジャパンデザインコミッティー公募展の(無釉白磁)トロフィーにした


D28-P5-010.jpg

88 自然の形は人間が計算する形とは違った別の魅力ある形をもっている。川からもって来た石を そのまま石膏形(石膏型)にとり花瓶にする実験をした


D28-P5-011.jpg

89 自然の石に少し加工することで自分の物にした


D28-P5-012.jpg

90 花瓶


D28-P5-013.jpg

91


D28-P5-014.jpg

92 時計のメカは小さく簡単に取り付けられる。粘土が抑えられた形そのままの陶板。1時から11時まで少しずつ溶けていった棒があります。


D28-P5-015.jpg

93 1970年。手ざわりを主に考えてカップをデザインした


D28-P5-016.jpg

94 目の見えない人も触覚で楽しめる


D28-P5-017.jpg

95 1970年。生産し、一部では好評だったが、一般市場では売れず苦労した


D28-P5-018.jpg

96 同じコンセプトでのロックカップを78年に作り


D28-P5-019.jpg

97 氷入れ水入れなどを付けて発表したら好評で8年間の市場の大きな違いを感じた物である


D28-P5-020.jpg

98 カップの内部を重要視して形を考えた


D28-P6-001.jpg

99 ロックセット


D28-P6-002.jpg

100 注器は機能的な要求が強く、形が意味をもっているのでデザインするのにファイトが出る


D28-P6-003.jpg

101 1977年。ストライプをプリント(転写)したソースと塩、こしょうのセット(染付)


D28-P6-004.jpg

102 1981年に国立近代美術館で開催した「注ぐ」展のポスター。上が私の物で下は魯山人と云う日本の陶芸美術のボスだった人の物。使える形ではないのだが、日本ではやきものに対する変な見方が一部あります。茶道とか懐石食器など、私には理解できません


D28-P6-005.jpg

103 注器の実験


D28-P6-006.jpg

104 炻器で無釉の物


D28-P6-007.jpg

105 注器(六角型)注ぎ具合はとてもよい


D28-P6-008.jpg

106 お酒の器です


D28-P6-009.jpg

107 1988年。酒はリラックスさせてくれるものだから形が自由に楽しめる


D28-P6-010.jpg

108 1989年。酒、ワイン、ビールなどのカップ


D28-P6-011.jpg

109 酒やワイン、やきもの、形や釉、模様が楽しめる


D28-P6-012.jpg

110 1993年。冷たい酒がよく飲まれるようになった。昔はなかった飲み方なので形の伝統はなく自由に考えられる。中心に氷を入れ ハンドルの所から酒をいれます


D28-P6-013.jpg

111 1995年。角形の物で後部から氷を入れます。中が2つに仕切られています


D28-P6-014.jpg

112 同


D28-P6-015.jpg

113 カップの実験。形の変化、円柱をタテ、ヨコ、ナナメに切って少しずらした形


D28-P6-016.jpg

114 カットした変化


D28-P6-017.jpg

115 カットした面のテクスチャーに変化をあたえた


D28-P6-018.jpg

116 ドッキングするカップ。お酒のカップは特に自由でよいと考える


D28-P6-019.jpg

117 1969年。手で作った不定形のラフなボウル。規格品にはない、ラフな土の形の魅力がある


D28-P6-020.jpg

118 10年以上も考えて同じコンセプトの量産できる不定形の生産方法を開発した


D28-P7-001.jpg

119 小さな皿から大きい皿、ボウルまで全サイズを作って発表した


D28-P7-002.jpg

120  型に彫りこんだ単純な模様もバリエーションを作り、白いグループ、黒(天目)のグループで発表した。バレンシヤの国際陶展グランプリ


D28-P7-003.jpg

121 1983年。ヨーロッパでの受賞ですぐ、イギリス・ビクトリアアンドアルバートの展覧会に招待され、続いてN.Y(アメリカ)テーブルトップ展に招待(アメリカクラフトミュージアム)。そしてNY近代美術館の83年のカタログ表紙になった


D28-P7-004.jpg

122 同じ型のものを2次加工することでイメージの違った物に広げた


D28-P7-005.jpg

123 1995年。フチ(縁)に流し釉をして、やきもの独自の表現をした


D28-P7-006.jpg

124 1995年


D28-P7-007.jpg

125 日本の生活でやきものは食器がほとんどで、その中心はめし茶わんです。これは1960年のデザイン。12cmの径です


D28-P7-008.jpg

126 1990年にデザインした径15cmの大きい物で余白が充分にあるものです


D28-P7-009.jpg

127 広い面が見えるので、色や模様など表現するスペースが効果的です


D28-P7-010.jpg

128 赤いめし碗など昔は考えられなかったのですが、現在は受け入れています


D28-P7-011.jpg

129 日本の磁器は1600年頃始まったのですが、伝統的様式が強く現代化にはまだまだ抵抗があります。このめし茶わんなどめずらしい例です


D28-P7-012.jpg

130 12色の色釉を使い、多様な感覚に対応するようにしました


D25-P2-017.jpg
  • 要確認

131 1992年。東京で個展をし、同一サイズで150種ものバリエーションのある発表会をして大好評を受けました


D28-P8-001.jpg

132 1995年7月に完成した陶壁画。2m×50mあり、長崎県波佐見(白山陶器のある所)のやきもの公園にあります。「陶磁の路」セラミックロードです


D28-P7-015.jpg

133 近くの山の赤土や陶石など焼いて土、石の変化を見せます


D28-P7-016.jpg

134 溶ける石や焼いた鉄など不思議なエネルギーを感じる表情をしています


D28-P7-017.jpg

135 成形で使用する型や工具。色の違う土の練り込みなど見せています 製造工程の流れを表現した


D28-P7-018.jpg

136 釉の変化、鉄、クローム、コバルトなど、やきものの表現技法を絵巻物風に見せました


D28-P7-019.jpg

137 大きい陶片タイル(粘土を切った線が美しい)やこの町の業者が描いた陶片をはり地元の人々の協力を組みこんだ


D28-P7-020.jpg

138 発色の強い釉や金箔をはりつけたデコラテイーブなタイルを最後の技法として50mの壁を終わらせた


139 この山に古代から近代までの世界の窯、12基の復元工事が今、進んでいます。来年3月までに完成します。来年7月から10月まで やきもの博が有田であり IAC(国際陶芸アカデミー)の総会が10月に日本(名古屋、有田)でありますので ぜひ来日してください。歓迎いたします。有難うございました



最終更新日 2009.07.16

Copyright: (C) 2008 - 2024 All Rights Reserved.